【投資信託】東京海上・ジャパン・オーナーズ株式オープンの分析
最近話題の投信についての私見です。
アクティブファンドは半数以上が長期で市場平均に負けてしまうと言います。
そういう意味でインデックス投資の方が優れているとは思うのですが、短期、中期的ではアクティブファンドはインデックスファンドを遥かに上回る成績を残すことがあります。
というか、年単位で見れば約半分くらいはインデックスに勝っているわけですね.
問題はどのファンドのリターンがいいか事前にわからないことですが、勝ち続けているファンドというのも中にはあるということですね。
東京海上・ジャパン・オーナーズ株式オープン
投信ブロガーではない、FOY2018で第一位に輝いているファンドです。
モーニングスターのレーティングは★5です。
みんなが大好きひふみ投信の成績を上回っています。
2019年2月9日時点での基準価額は23,865円で、純資産額は24,233百万円です。
2018年6月ぐらいから急激な増加をしています。どこかの証券会社が顧客に売りつけまくったのでしょうか、不自然ですね。
このファンドの特色というと、
①わが国の金融商品取引所上場(これに準ずるものを含みます)株式のうち、経営者が実質的に主要な株主である企業を主要投資対象とします。
②銘柄選定に際しては、経営者のリーダーシップに関する定性分析を重視しつつ、企業の成長性・収益性に比較して割安であると判断される銘柄を選別します。
③運用にあたっては、東京海上アセットマネジメントの個別企業リサーチをもとに、銘柄選択・投資配分を決定し、ポートフォリオを構築します。
ということです。経営者のリーダーシップを見極め、成長性・収益性に対し割安と思われる銘柄を選定しているということですね。
ポートフォリオの構成を見てみると全て国内株式ですが、殆どが東証1部の小型株、東証2部、マザーズの銘柄になっています。小型株を中心として運用をしています。
経営者が株主ということが銘柄選定基準なので、ある程度の規模が小さい企業が多いのだと思います。
業種の割合で言えば、サービス業、不動産業、情報・通信業でトップ3、約60%を占めています。
現時点での、組入上位10銘柄は、
①M&Aキャピタルパートナー(6080)
②ディスコ(6146)
③シノケングループ(8909)
④アダストリア(2685)
⑤LIFULL(2120)
⑥オープンハウス(3288)
⑦ウェルビー(6556)
⑧エフピコ(7947)
⑨MCJ(6670)
⑩ファイバーゲート(9450)
となっています。組入銘柄数は月報に明記されていませんが約30~40銘柄をポートフォリオに組入していると思われます。
モーニングスターの累積収益グラフを見てみると、このファンドが1位な理由が見てとれます。このファンドは「国内小型グロース」にカテゴライズされていますが、同カテゴリーの2018年は-20.04%でした。その中でもこのファンドは5.76%の成績を上げることができています。それまでも同カテゴリーをアウトパフォームし続け、しかも相場が不安定になってからも株価が下落しづらい銘柄を選定することが出来ているということですね。
年2回決算で分配金を(直近)250円出していますので長期で保有するには課税分だけ損するため長期保有には向いていません。相場の地合が悪くてもリターンが下がりづらいのが評価されています。オーナーが保有しているため売りに出される株数が少なく株価が下がりづらい…のか、そもそも割安銘柄なので下落幅が少ないのかわかりませんが 、リターンをきちんと出しつつも、相場が悪くてもリターンが極端に落ちないというのは理想のファンドだと思います。
コストについては信託報酬が1.5552%(税込)です。アクティブファンドなので手数料が高めに設定されています。また、このファンドは購入手数料が一律2.16%(税込)発生します。
保有しているだけで約1.5%、購入時に2.16%持っていかれるので定期積立には全く向いていないことは確かです…というよりこの手のファンドは償還期限が設定されていることが多いです。このファンドも確認をしてみると2023年に償還期限を迎えます。
スポット的にポートフォリオの一部に組み込むのはありだとは思いますが、購入手数料が発生するファンドは方針と合わないので私はポートフォリオには組み込みません。
アクティブファンドは優れたリターンを叩き出す前に、そのファンドを見つけることが何より難しいと思います。