ライフサイクルにおけるアセットアロケーション
ライフサイクルにおけるアセットアロケーションでは、「100-年齢=株式比率」ということが一般的です。
例えば30代なら株式:債券比率は7:3、40代ならば6:4といった具合です。
実際に、積立した運用資金を取り崩していくのを60代と考えるとその時の株式:債券比率は4:60になります。
ウォール街のランダムウォーカーでも同様のことをマルキール先生が話されています。
リスクが高い投資の割合を減らし、債券やREIT、それに安定した高配当株式に徐々にシフトしていくべきと言うことです。
推奨されているアセットアロケーションも、以下のようになっています。
20代半ばの投資家
60代後半以降の投資家
このように、債券を主力にシフトしていく理由は価格変動(リスク)を抑えた運用をすることによって、暴落などで資産が著しく減少してしまうことを防ぐためです。
マルキール先生のポイントは3つあると思います。1つは成長期は株式をリターンの主力にしつつ、取り崩し時にはインフレヘッジにすること。2つめは債券でリスクを抑えた運用をすること。3つめはREITなど高い配当収入を得ることができる運用をすること。これらを適度なバランスで組み合わせて運用することで、リスクを最小限に抑えようとしています。
一方、自分は債券ファンドをアセットアロケーションに組み入れるのはあまり好きではありません。低金利だと割高になり、高金利だと値段が下がるからです。
国内債券は、他のアセットクラスとの相関係数が低くリスク低減に役立ちますが、これが採用していない理由です。(国債などの無リスク資産で代用する場合は除きます)
年齢に応じて債券比率を固定してしまうとその時の市場の状況によっては、必ずしも良い手ではなくなってしまうのではないかなと思っています。
また、今後債券は値段が下がる一方だとも言われています。
既にマイナス金利で債券価格は高騰しているので、これから金利が上がるのであればそれに応じて債券価格が下がりますし、最大の年金運用期間であるGPIFの債券の売り時=資産の取り崩し時期が今後訪れ、更に下がる要因があるのも不安な点です。
なので、インデックスファンドと高配当ETFを併用することで年齢に応じてアセットアロケーションを変化させるということをしないことがいいと考えています。
老後になって、年金+配当金を生活費のベースとする。
それでも足りなければ定率でインデックスファンドを解約していく。
これが庶民にとっては、出口戦略も考える必要がなく、株価の変動にも惑わされることがないお気楽なやり方なんではないのかなと思います。
ファンドを解約し続けるというのは結構心理的な負担が伴うのではないかと思うのが、配当収入を今後重視していきたい理由です。