ひねおのコツコツ投資日記

30代会社員のコツコツ投資日記です。

早期償還となったS&P500 VIXインバースETNとは

こんにちは、ひねぷーです。

インデックスファンドを地味に毎月積立しているだけなので、実際の投資行動に縁はないのですが、最近よくタイムラインやブルームバーグで目にするS&P500 VIXインバースETNに端を発する「VIX指数」に興味を持ちましたのでまとめてみました。

よろしければ、ご覧下さい。

VIX指数とは?

VIX指数= 「恐怖指数」(Volatility Index)と呼ばれており、非常に有名な指数です。

シカゴ・オプション取引所がS&P500指数を対象とするオプション取引の動きを元に算出・公表をしています。

1993年に公表されて以来、投資家の心理を表す数値として利用されており、指数の値が高い時に投資家は悲観的で先行きが不安なことを示しています。

通常は10~20の範囲内で推移しますが、相場の先行きが不安にあると数値が大きく上昇する特徴があります。

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 (ヤフーファイナンスより、VIX指数とS&P500指数の比較、水色がVIX指数です。)

縦軸に数値が入っていないのですが、過去最高値はリーマンショックが起こった2008年10月で89.53を記録しています。一方、過去最低値は2017年11月24日で、8.56を記録しています。2017年は稀にない投資家にとって先行きの不安を感じない安定した年だったと言えます。

 

VIX指数はS&P500指数と逆相関

これについては和波さんの記事が詳しいです。

VIX指数に連動するETFは買っちゃダメだからね

(すみません。勝手にリンクしてしまいました)

市場の先行きが不透明になると、機関投資家がリスクヘッジのためにプットオプションの買い注文を入れ、その結果ボラティリティが高くなります。

その結果、株価は下がりますが、VIX指数は上昇するというロジックになっています。

今現在起こっている株価の下落(調整)は、米長期金利の急上昇が引き金と言われており、同時期に急激にVIX指数が上昇しました。2月9日には39.33を記録しています。

上段のチャートを見てみても、S&P500指数が大きく下げる時に、瞬発的にVIX指数が上昇していることがわかると思います。

話題になった「S&P500 VIX インバースETN(2049)」とは 

VIX指数に興味を持ったきっかけは、 この「S&P500 VIXインバースETN(2049)」がタイムライン上で話題になったからでした。

ETNとは指数連動証券のことで、外国社債権に分類される証券です。ETFと同じように市場でリアルタイム売買することが可能ですが、現物証券は持っていないため、発行体の信用力に基づき発行した証券を上場する点で異なります。発行体は野村証券です。

この2049は野村証券のNEXT NOTESシリーズの一商品として位置付けられていました。

NEXTNOTES S&P500 VIXインバースETN 

銘柄コード「2049」

銘柄名 「NEXTNOTES S&P500 VIXインバースETN」

対象指数 「円換算したS&P500 VIX短期先物インバース日次指数」

インバースは「反対の」「逆の」を意味しています。対象指数が上昇すると下落し、対象指数が下落すると上昇します。

S&P500 VIX短期先物インバース日次指数は、S&P500 VIX短期先物指数の前日比変動率の−1倍になるように計算された指数になります。

話題になったチャートです。見事に垂直落下してしており、恐怖しか感じませんね(笑)

この指数の下落を受けて2049は早期償還条項が付されているため、早期償還となりました。

早期償還の条件は日中の値が前日終値の20%以下になることですので、以下に激しい値動きがあったかがわかります。瞬発的なVIX指数のボラティリティは仮想通貨を上回っています。

今回の、VIXショックでは50.30を記録し、変動幅では過去最大規模になり、低ボラティリティが続くと踏んでいた投資家には致命的な損失になりました。

通常範囲内の資産形成を目的としているのならば触るべきではない

君子危うきに近寄らずではないですが、素人投資家が関わっていい投資法ではなさそうです。

インバース型の同ファンドでは低ボラティリティ環境が続いている間はじわじわと価格を上げ、利益を出しますが、崩壊は一瞬です。この、2049の他にもVIX連動商品はありますが、ショートが禁止になったり、償還が相次いでいる状態です。一度当たれば、巨額の利益を得ることができますが、そのタイミングを当てるのはサラリーマン投資家にはどたい無理な話だと思います。そして今回のように回復できない痛手を被る可能性が高いです。

自分にできることは、リスク許容度を見極めた上で、より強固なポートフォリオを作れるように試行錯誤しながらやっていくことだと思うので、こういう世界もあるんだな〜くらいの気持ちで対岸から眺めていたいと思います(笑)